遂翁元盧
達磨図

Suio Genro
Daruma

掛軸　紙本　117cm×44,4cm(総丈192cm×55,5cm) 淡川康一箱書

作品の状態について

画面、表装共に良い状態です。

外息諸縁
内心無喘
心如墻壁
可以入道

〈訓読〉
外 諸縁を息(や)めて、内心 喘(あえ)ぐこと無し。
心 牆壁の如くにして、以て道に入るべし。

〈解説〉
　師である白隠慧鶴の画風を踏襲した「半身達磨図」です。頭頂ははげ頭、後頭部の頭髪から顎と口を覆うふさふさの髭、達磨の視線は斜め上を向いています。
　図上の賛は、『少室六門』第三門二種入の最後の偈から引用したもので、「外部の諸縁を断ち切り、心を動揺させることなく、牆壁のごとき無心を実現して入道(＝仏道に入って修行すること)するべし」と述べています。つまり、これは禅定(＝心を静めて一つの対象に集中する宗教的な瞑想)について述べたものです。この偈のあとに「仏心宗を明らむれば、等しく差誤無し。行解相応ずる、之を名づけて祖と曰う。（明佛心宗 等無差誤 行解相應 名之曰祖）」という語句が続きます。(Ｙ)

作家について

遂翁元盧(1717-1790)は、下野に生まれた江戸後期の臨済宗の僧。
初号は慧牧、遂翁は字。延享3年（1746年）に駿河松蔭寺で白隠慧鶴に入門して教えを受けた。東嶺円慈、霊源慧桃、大休慧昉と共に白隠門下四天王の...

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