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大倉笠山
山渓晴雪図
Okura Ryuzan
Landscape
掛軸 紙本 43cm×58,8cm(総丈143cm×75cm) 田近竹邨箱書
作品の状態について
画面、表装ともに大変良い状態です。
画、書ともに出来が良く、品の良い作品です。
(読み)
大倉笠山「山渓晴雪図」
〈本文〉
呈賦梁園尋詩灞橋古人
高致可以見也余向遊越淹留
従夏至冬朔風吹雪略無虚日
宛如入銀界坐玉楼三句際為
之呼酒者屡而無一字述佳興
今所写周乃帰途所観湖北
晴景也而不必求其形似特
託曽遊之思於無声耳併
系短句
湖南湖北雪成堆比屋人家
対水開怪応雲霄鳴雁過
数声柔櫓鏡中来
笠山子穀
〈読み〉
梁園を尋ね詩を賦するを呈す灞橋の古人の高致見るべきなり。
余遊びに向かい淹留夏に従い冬に至る、朔風吹雪虚日略ぼ無し、宛銀界に入る如し、玉楼に坐し、三句の際、之呼酒者と為す、屡にして佳興述べるも一字として無し、今写する所は、帰途観る所の湖北晴景なり。
而して必しも求めず其の形の似るを、特に託す曽て遊びし思い無声においてのみ。
併びに短句を系す。
湖南湖北の雪堆を成し、比屋人家水開に対す。
雲霄に応じ雁鳴き過ぎるを怪う、数声柔櫓鏡中に来たり。
〈語注〉
梁園→西漢の梁孝王が河南省に建てた庭園。文人が集まり、詩を読むテーマとなっている。
灞橋→西安にある柳の美しい場所の地名。
淹留→逗留
朔風→北風
略無→全くない
宛如→~のようだ。
之呼酒者→文人を風刺する語である之乎者也のことか。
屡→貧困、何も持たない。
成堆→多くのものが一か所に集まる
柔櫓→船のオールを漕ぐ音
〈大意〉
梁園を尋ねて詩を詠んだ灞橋の古人の風流さは素晴らしい。
わたしはそこで夏から冬まで逗留した。北風や吹雪により穏やかな日はない。
まるで銀世界に入ったようだ。
玉楼に坐し、詩を詠もうとしても、佳興を述べる字が一字として思い浮かばない。
今描いたのは、帰り道に観た湖北の晴景である。
しかし必しも実物に似ることを求めていない。
かつての思い出を描いたのだ。併びに短句を記す。
湖南も湖北も雪が積もり、家々は水開に対す。
雲霄に応じるように雁は鳴き飛んで行く、その鳴き声はオールを漕ぐ音とともに消えていく。
〈解説〉
河南省の梁園を訪れたのち、帰り道に通った湖北の雪景を描いた画です。
画賛には梁園では大雪に見舞われましたが、帰路、湖北にて雪が晴れたこと、うまく詩が詠めなかったことなど当時の様子が生き生きと記され、詩も添えられています。静まり返る渓谷に雁の鳴き声が消えていく、静かながらもさわやかな画となっている作です。(G)
作家について
大倉笠山(1784~1850)は、笠置の酒造業大倉家8代目。中林竹洞門下にしてパトロン的存在。売画重視の竹洞が曖昧にした元明画研究を保持しつつ、山水を中心に竹洞様式の南画を描く。文政2年には「大倉画四画譜」...
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