画題の意味:鐘馗
描かれている内容が理解できれば絵画鑑賞はより一層楽しくなります。
今回は鐘馗について解説します。
鐘馗について
中国・唐時代、鍾馗は病床の玄宗皇帝の夢に現れ、病をもたらした疫鬼を退治したとの伝説から、古来より魔除けの神として信仰されてきました。
鍾馗は平安時代に日本へ伝わったとされ、江戸時代に民衆の間で広まりました。端午の節句に飾られ、関西では魔除けとして屋根の上に置く風習も伝わりました。
徳川三傑に数えられる本多忠勝の馬印にも鍾馗の絵柄が使われるなど、鍾馗のその勇壮な姿は戦国の武将たちにも愛されました。
疫病除け・魔除けの効果があるとされ、家を守ったり無病息災をを願う意味以外にも、学業成就の神様としても知られています。
参考作品:
柴田是真「鐘馗図」
狩野常信「鐘馗図」
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