画題の意味:太公望
描かれている内容が理解できれば絵画鑑賞はより一層楽しくなります。
今回は太公望について説明します。
太公望は中国の伝説的な人物であり、その物語は多くの芸術作品に取り入れられてきました。
「準備万端整っていれば、おのずとどこからか声がかかる。」
太公望を見ると私たち自身の努力や準備を整える事が重要であるという事を思い起こさせてくれます。
太公望について
中国・周(しゅう)という国に西伯(せいはく)という君主がいた。
あるとき、狩りに出る前に占いをしたところ、「獲物は動物ではなく、覇王の補佐役である」とのお告げを聞く。
狩に出かけると渭水(いすい)という川のほとりで釣りをしていた老人に出会った。その老人の才能に惚れ込んだ西伯は、「先君太公の望んでいた賢人だ」と言い、老人を補佐役に迎えた。
この老人、呂尚(りょしょう)の助言により、周は国力を蓄え、中国全土の盟主と仰がれるようになった。
西伯は狩りにでかけて補佐役を捕まえ、老人・呂尚は釣りをしていたら君主が引っかかったという次第。どちらも獲物を捕まえるつもりで人間とめぐり会ったというのが面白い。
この故事から釣り人や補佐役を太公望と呼ぶ由来となった。
(代表的な作品例:尾形光琳「太公望」京都国立博物館蔵)
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