狩野永岳 (かのうえいがく)
狩野永岳(1790~1867)は、京狩野の画家、影山洞玉の子として生まれた。京狩野家8代永俊の養子となり、文化13年家督を継ぎ、9代目となった。京狩野家の祖の山楽、あるいは2代山雪の絵に学び、その画面構成を受け継ぎながら、緻密な筆致と直線を多用した描写、華麗な色彩で、特に大画面に力を発揮した。禁裏をはじめ、五摂家の一つである九条家、彦根井伊家、紀州徳川家の御用をつとめ、妙心寺、大徳寺、東本願寺などの寺院で、大きな仕事を数々こなし、また、富商や富農層の求めにも応えた。