開催中の展示会

From the Heian period to the present day

2019.04.14-2019.04.27

今回は平安時代から現代までの作品を展示致します。
点数は少ないですが、各時代の優品を揃えました。日本美術の歴史を少しでも感じて頂ければ幸いです。

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尾形光琳 団扇布袋図 (部分)

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良寛 一行書

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狩野永徳 酔李白図 (部分)

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横山大観 夏の夜 (部分)

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田村大 暫 (部分)

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尾形光琳 団扇布袋図 (部分)

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良寛 一行書

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狩野永徳 酔李白図 (部分)

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横山大観 夏の夜 (部分)

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田村大 暫 (部分)

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田村大 暫 (部分)

イラストレーターの逆襲

いちおう、「美術史家」という肩書きで仕事をしてきた私にとって、イラスト、あるいはイラストレーション、イラストレーターという言葉のニュアンスが、そして、その言葉の使われ方が、ずっと喉元にひっかかっている。最新の『広辞苑』第七版(二〇一八年刊)を引いてみると、こうある。

“イラスト イラストレーションの略。特に、見て楽しいように誇張、変形した絵についていう。 イラストレーション さし絵。図解。 イラストレーター 挿絵画家。宣伝美術家。„

おいおい『広辞苑』、こんなにテキトーでいいのか・・・と思う。さし絵?図解?そして宣伝美術家??? ともかく、この項目を執筆した人が、ネガティヴな態度であることはまちがいないだろう。というか、「美術史家」や「美術評論家」の多くが、この言葉に対して、無意識的に蔑むようなそぶりを見せることを、私はたびたび目撃してきた。 つい最近、ある公募展の審査員を務めた時のこと。私が高く評価した作品に対して、別の某審査員は、「でも、イラストっぽいよね」という否定的なニュアンスの一言を吐いた。そして、私にはただ絵の具をテキトーにまき散らしただけにしか見えない抽象画を、「これがいいんじゃない」とのたまった。もちろん、そんな意見は秒殺してやったけれど。 イラストという日本独自の省略した用語は、「ファインアート」という、なんら実態のない空虚なカテゴライズにしがみついているごく一部の人たちにとっては、蔑称として使いやすい用語になってしまった。多くの一般の人たちは、素晴らしい「イラスト」に感嘆しているのに。というか、「ファインアート」などというカテゴライズ自体が、もはや滅んでいるのである。「純文学」が滅んでいるのと同じように。

田村大にはじめて会ったのは、私が監修した「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」の会場において。そこで、私と辻惟雄先生の姿を描いた作品を見せてもらったのだった。その後、彼がNBAのバスケットボール選手の姿を描く動画などを見て、その鮮やかな手腕に驚嘆した。 日本画も油絵も水彩画も、イラストもマンガも、絵は絵である。人間が、手を使って描いたものは、すべて絵である。2016年にアメリカで開催されたカリカチュア世界大会で優勝して、すでに国際的な評価を獲得している田村大が今後も活躍することが、日本国内で、イラストレーターの逆襲として有効に機能することを期待している。

山下裕二(明治学院大学教授)

展示作品一覧

平安時代  伝藤原公任 下絵和漢朗詠集切
南北朝時代 玉畹梵芳 蘭石図
室町時代  狩野正信 達磨図
桃山時代  狩野永徳 酔李白図
江戸時代  尾形光琳 団扇布袋図
江戸時代  良寛 一行書
昭和時代  横山大観 夏の夜
現代    田村大 暫

会場

松本松栄堂 東京店

〒103-0027
東京都中央区日本橋3丁目8-7坂本ビル3F
担当者電話番号:080-9608-7598
Mail:info@matsumoto-shoeido.jp
営業時間:10:00 - 18:00

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