開催中の展示会

Literati painting

2022.11.03-2022.11.13

この度、松本松栄堂 東京店にて「日本の文人画」展を開催致します。
初期文人画から近代文人画の巨人・富岡鉄斎まで、日本の文人画において欠かす事のできない画家達の作品を展示致します。
点数は少ないですが、中国画、朝鮮画からの影響や、画家や漢詩人たちの交流などを考えて作品を選びました。
日本の文人画の歴史を少しでも感じて頂けましたら幸いです。

会期:2022年11月3日(木)から13日(日)まで
会場:松本松栄堂 東京店

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柳沢淇園 梅小禽図 
絹本 56cm×31,1cm 二重箱入 
紀州徳川家旧蔵品

・2012年静岡県立美術館「江戸絵画の楽園」展
・2017年大和文華館「柳沢淇園」展 
出品作品

中国・宋〜明時代の画に倣って、明末〜清初頃の画工の手により描かれたとされている「臥遊千里図画冊(唐招提寺蔵)」を参考に本作品は制作されたと考えられている。
初期文人画における中国画学習を知るうえでも貴重な作品と言える。
また軸を収納する箱に「南紀徳川家」の所蔵品であった事を示す札が貼られており、また昭和初期に同家が所蔵品を売却した際の売立目録に掲載されている事から、紀州徳川家の旧蔵品であったとわかる。
柳沢淇園は紀伊藩儒の祇園南海と交流があり、このルートから紀州徳川家に伝わったと考える事もできるだろう。

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彭城百川 前赤壁図
紙本 34.6cm×55cm 箱入
国華1226号 所載品

本作品は百川収集家であった佐々木昌興氏の旧蔵品として、東京国立文化財研究所に1939年に撮影された写真が整理保存されている。
またジェームス・ケーヒル氏「彭城百川の絵画様式-山水人物画について 二」(美術史105)において、重要な有年作品として言及されている。
落款から延享2年(1745年)に制作されたとわかる。
さらに1984年名古屋市博物館で行われた「知られざる南画家 百川」のカタログなどにも参考図版として掲げられており、百川作品において重要な作品として知られてきた一幅である。

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池大雅 書簡(木村蒹葭堂宛)
紙本 19cm×30cm 箱入
2018年京都国立博物館「池大雅」展 出品作品

年次不明ながら、大雅が蒹葭堂へ宛てた書状である。その書風から、大雅晩年の筆ではないかと考えられる。
書画会を開催するので知友を誘引して参加してほしいと述べ、福原五岳から話していた画幅のことで序文をお願いしたい、また含英の粉本を借覧したいと依頼している。
13歳年齢の離れた二人の交友の様子をうかがい知ることのできる貴重な書状である。
(2018年京都国立博物館「池大雅」展 展覧会図録解説より抜粋)

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与謝蕪村 春夜桃李園図 
絹本 33,7cm×60,5cm 箱入
2019年大倉集古館「桃源郷展」出品作品

満開の桃李林で酒を酌み交わす高士たちを描いた本図は、李白の「春夜宴桃李園序」を絵画化したものである。
落款から天明2年に制作されたことが分かるが、蕪村は前年に「春夜桃李園図」(角谷保存会蔵)を描いている。こちらは画中詩として「春夜桃李園序」が墨書されており、画中人物たちはすっかり酔いが回って、宴も闌といった様子であるが、本図ではまだ宴は始まったところといった趣である。
(2019年大倉集古館「桃源郷展」展覧会図録解説より抜粋)

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浦上玉堂 渓間垂釣図 
紙本 98,4cm×42,6cm 箱入
1974年中央公論社「文人画粋編 第14巻」所載品

文化12年(1815年)71歳の時に、最後の遠出となった讃岐に於いて描かれた作品。
浦上玉堂が描く山水画は、他の作家との比較を試みることができず、作品構成の不可思議さは、彼の琴士としての、音楽家としてのリズム感によるものだ。と2016年「浦上玉堂と春琴・秋琴 父子の芸術」展に於いても指摘されている。
本作品もまた、その指摘の通りである。
独自の渇筆・擦筆で描かれた岩肌は奇妙で、波には畳の目がうつっている。空間構成は他に類をみない。
まさに作為を排し、心をそのままに写す文人画の本質「写意」がそこにある。

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浦上春琴 花卉果物図 
賛:頼山陽、梁川星巌
絹本 123,3cm×53,9cm 頼潔箱書 二重箱入

浦上春琴の描く水々しい花卉果物図に、当時を代表する詩人頼山陽、梁川星巌による賛が入れられた、同時代の交友関係を示す作品。
春琴は父・玉堂をはるかに凌ぐ京坂きっての人気作家として、画の注文が途切れなかったという。

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田能村竹田 白衣観音図
紙本 69,5cm×69,5cm 田能村直入箱書 二重箱入
国華637号
昭和2年「神戸鹿峰氏遺愛品図録」所載品

南宋時代の仏画の優品として、国華946号において作品紹介がされている白衣観音図がある。
もとは大阪市高津村大仙寺より久原家に伝わり、現在の所有者は個人蔵とされる。
竹田は「山中人饒舌」の中で高津村大仙寺を訪れており、さらに模写が伝わるとされている。
まさに本作品がそれにあたるのではないだろうか。
竹田がどの様な作品を見て学習し、自分の色を出していくのか、その過程がわかる大変貴重な作品といえる。
また昭和2年東京美術倶楽部に於いて行われた「神戸鹿峰遺愛品展観」の図録に掲載されていることから、明治大正時代を代表する文人画コレクター・神戸鹿峰氏の旧蔵品であったとわかる。

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中林竹洞 牧童図 
頼山陽賛 絹本 122.4×43.6cm 上野理一旧蔵品
国華88号 所載品
国華社発行「南画集」所載品

温かい雰囲気で絹に牧童を描いている。その温かい雰囲気を一層深めているのは、この絹が持つ材質によるところが大きい。
「竹洞絹」と称される竹洞が好んで使った絹である。
当時を代表する漢詩人である頼山陽が賛を入れていることからも、本作品が力作であることがわかる。
画の出来、「竹洞絹」の効果、頼山陽による賛と、この時代の空気感を存分に感じることのできる作品である。

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山本梅逸 秋汀双鴨図 
絹本 131cm×51cm 二重箱入
岡本春邨(二楽堂)旧蔵品
2014年府中市美術館「江戸絵画の19世紀」展 出品作品

名古屋に生まれた梅逸は、同郷の画家・中林竹洞と一緒に京に出た。その竹洞は、若い頃、円山応挙を批判する画論を書いたことがある。
文人画を目指す二人は、応挙のわかりやすい画風の流行を快く思わなかったのかもしれない。しかし、この絵のリアルな奥行きは、その応挙に発する手法だろう。
(2014年府中市美術館「江戸絵画の19世紀」展 展覧会図録解説より抜粋)

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富岡鉄斎 東山雨霽図 
紙本 16,5cm×54,3cm 富岡益太郎箱書 二重箱入

秋愛東山閑雨霽 
鐵齋外史 時年九十

〈読み〉
秋は愛す 東山の閑なる雨霽れを。
鉄斎外史。時に年九十。

〈解説〉
閑かに降っていた雨がやみ、霧雲が晴れあがってゆく秋の東山を描いている。いわゆる九十落款の作品である。
鉄斎は大正13年(1924年)12月31日、89歳で亡くなるが、同年晩夏ころから自身の健康と長寿を願い、落款に「九十叟」や「九十翁」などと自署した。この落款の入った作品は「九十落款」と称され、残された作品数の少ないことからも貴重とされている。

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柳沢淇園 梅小禽図 
絹本 56cm×31,1cm 二重箱入 
紀州徳川家旧蔵品

・2012年静岡県立美術館「江戸絵画の楽園」展
・2017年大和文華館「柳沢淇園」展 
出品作品

中国・宋〜明時代の画に倣って、明末〜清初頃の画工の手により描かれたとされている「臥遊千里図画冊(唐招提寺蔵)」を参考に本作品は制作されたと考えられている。
初期文人画における中国画学習を知るうえでも貴重な作品と言える。
また軸を収納する箱に「南紀徳川家」の所蔵品であった事を示す札が貼られており、また昭和初期に同家が所蔵品を売却した際の売立目録に掲載されている事から、紀州徳川家の旧蔵品であったとわかる。
柳沢淇園は紀伊藩儒の祇園南海と交流があり、このルートから紀州徳川家に伝わったと考える事もできるだろう。

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彭城百川 前赤壁図
紙本 34.6cm×55cm 箱入
国華1226号 所載品

本作品は百川収集家であった佐々木昌興氏の旧蔵品として、東京国立文化財研究所に1939年に撮影された写真が整理保存されている。
またジェームス・ケーヒル氏「彭城百川の絵画様式-山水人物画について 二」(美術史105)において、重要な有年作品として言及されている。
落款から延享2年(1745年)に制作されたとわかる。
さらに1984年名古屋市博物館で行われた「知られざる南画家 百川」のカタログなどにも参考図版として掲げられており、百川作品において重要な作品として知られてきた一幅である。

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池大雅 書簡(木村蒹葭堂宛)
紙本 19cm×30cm 箱入
2018年京都国立博物館「池大雅」展 出品作品

年次不明ながら、大雅が蒹葭堂へ宛てた書状である。その書風から、大雅晩年の筆ではないかと考えられる。
書画会を開催するので知友を誘引して参加してほしいと述べ、福原五岳から話していた画幅のことで序文をお願いしたい、また含英の粉本を借覧したいと依頼している。
13歳年齢の離れた二人の交友の様子をうかがい知ることのできる貴重な書状である。
(2018年京都国立博物館「池大雅」展 展覧会図録解説より抜粋)

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与謝蕪村 春夜桃李園図 
絹本 33,7cm×60,5cm 箱入
2019年大倉集古館「桃源郷展」出品作品

満開の桃李林で酒を酌み交わす高士たちを描いた本図は、李白の「春夜宴桃李園序」を絵画化したものである。
落款から天明2年に制作されたことが分かるが、蕪村は前年に「春夜桃李園図」(角谷保存会蔵)を描いている。こちらは画中詩として「春夜桃李園序」が墨書されており、画中人物たちはすっかり酔いが回って、宴も闌といった様子であるが、本図ではまだ宴は始まったところといった趣である。
(2019年大倉集古館「桃源郷展」展覧会図録解説より抜粋)

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浦上玉堂 渓間垂釣図 
紙本 98,4cm×42,6cm 箱入
1974年中央公論社「文人画粋編 第14巻」所載品

文化12年(1815年)71歳の時に、最後の遠出となった讃岐に於いて描かれた作品。
浦上玉堂が描く山水画は、他の作家との比較を試みることができず、作品構成の不可思議さは、彼の琴士としての、音楽家としてのリズム感によるものだ。と2016年「浦上玉堂と春琴・秋琴 父子の芸術」展に於いても指摘されている。
本作品もまた、その指摘の通りである。
独自の渇筆・擦筆で描かれた岩肌は奇妙で、波には畳の目がうつっている。空間構成は他に類をみない。
まさに作為を排し、心をそのままに写す文人画の本質「写意」がそこにある。

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浦上春琴 花卉果物図 
賛:頼山陽、梁川星巌
絹本 123,3cm×53,9cm 頼潔箱書 二重箱入

浦上春琴の描く水々しい花卉果物図に、当時を代表する詩人頼山陽、梁川星巌による賛が入れられた、同時代の交友関係を示す作品。
春琴は父・玉堂をはるかに凌ぐ京坂きっての人気作家として、画の注文が途切れなかったという。

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田能村竹田 白衣観音図
紙本 69,5cm×69,5cm 田能村直入箱書 二重箱入
国華637号
昭和2年「神戸鹿峰氏遺愛品図録」所載品

南宋時代の仏画の優品として、国華946号において作品紹介がされている白衣観音図がある。
もとは大阪市高津村大仙寺より久原家に伝わり、現在の所有者は個人蔵とされる。
竹田は「山中人饒舌」の中で高津村大仙寺を訪れており、さらに模写が伝わるとされている。
まさに本作品がそれにあたるのではないだろうか。
竹田がどの様な作品を見て学習し、自分の色を出していくのか、その過程がわかる大変貴重な作品といえる。
また昭和2年東京美術倶楽部に於いて行われた「神戸鹿峰遺愛品展観」の図録に掲載されていることから、明治大正時代を代表する文人画コレクター・神戸鹿峰氏の旧蔵品であったとわかる。

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中林竹洞 牧童図 
頼山陽賛 絹本 122.4×43.6cm 上野理一旧蔵品
国華88号 所載品
国華社発行「南画集」所載品

温かい雰囲気で絹に牧童を描いている。その温かい雰囲気を一層深めているのは、この絹が持つ材質によるところが大きい。
「竹洞絹」と称される竹洞が好んで使った絹である。
当時を代表する漢詩人である頼山陽が賛を入れていることからも、本作品が力作であることがわかる。
画の出来、「竹洞絹」の効果、頼山陽による賛と、この時代の空気感を存分に感じることのできる作品である。

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山本梅逸 秋汀双鴨図 
絹本 131cm×51cm 二重箱入
岡本春邨(二楽堂)旧蔵品
2014年府中市美術館「江戸絵画の19世紀」展 出品作品

名古屋に生まれた梅逸は、同郷の画家・中林竹洞と一緒に京に出た。その竹洞は、若い頃、円山応挙を批判する画論を書いたことがある。
文人画を目指す二人は、応挙のわかりやすい画風の流行を快く思わなかったのかもしれない。しかし、この絵のリアルな奥行きは、その応挙に発する手法だろう。
(2014年府中市美術館「江戸絵画の19世紀」展 展覧会図録解説より抜粋)

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富岡鉄斎 東山雨霽図 
紙本 16,5cm×54,3cm 富岡益太郎箱書 二重箱入

秋愛東山閑雨霽 
鐵齋外史 時年九十

〈読み〉
秋は愛す 東山の閑なる雨霽れを。
鉄斎外史。時に年九十。

〈解説〉
閑かに降っていた雨がやみ、霧雲が晴れあがってゆく秋の東山を描いている。いわゆる九十落款の作品である。
鉄斎は大正13年(1924年)12月31日、89歳で亡くなるが、同年晩夏ころから自身の健康と長寿を願い、落款に「九十叟」や「九十翁」などと自署した。この落款の入った作品は「九十落款」と称され、残された作品数の少ないことからも貴重とされている。

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松本松栄堂 東京オフィス

〒103-0027
東京都中央区日本橋3丁目8-7 坂本ビル3F
担当者電話番号:080-9608-7598
Mail:info@matsumoto-shoeido.jp
営業時間:10:00 - 18:00

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