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一絲文守
達磨図
Isshi Bunsyu
Daruma
掛軸 紙本 110cm×27cm(総丈189cm×38,5cm) 箱入
作品の状態について
画面、表装共に良い状態です。
(左から)
嗟看宗棘満蕭梁
少室歸来面古墻
不是頑然守渕黙
都縁無叓可諮量
野釋文守
〈読み〉
嗟して看る宗棘の蕭梁に満つるを、少室帰り来って古墻に面す。
是れ頑然として淵黙を守るにあらず、都べて無事に縁りて諮量すべし。
〈大意〉
梁の国に外道の満ち満ちているのを慨嘆し、少室山に帰着して古い壁に向かい合う。
ことさら頑なに沈黙を守っているというわけではない、全ては俗事を放擲した無為の状態を選びとることによって、自問自答、自得することができるのだ。
〈語釈〉
◯宗棘=未詳。「宗」は宗門、仏教界のこと。「棘」は仏語で受け入れ難いものを「栗棘」と言うように、悟りの障碍、害毒の意味に解した。『碧巌録』の冒頭には武帝と達磨の問答が描かれる。その中に「朕、寺を起し僧を度す、何の功徳か有る。」という武帝の問いに、達磨が「功徳無し。」と答える場面があり、梁の仏教保護政策が却って真の悟りからほど遠いものであることを指摘する。また達磨の去った後に梁に「荊棘」が生じた(=戦乱に巻き込まれた)ともある。禅の伝承の文脈においては、達磨に見限られた梁の仏教の在り方が、後の侯景の乱の国難をもたらした、という訳である。
◯蕭梁=南朝の梁(502~557)のこと。宗室が蕭氏であったことから言う。南朝宋を「劉宋」と言うのに同じ呼び方。
◯少室=少室山のこと。この一句、達磨が梁の武帝と面会した後、これを捨てて北方に去り、少室山の少林寺に入って九年間、壁に向かって座禅を続けたという、所謂「面壁九年」の故事を言う。
◯頑然=頑固に。頑なに。頑迷強情に。
◯淵黙=(深い水を湛えた淵が静かなように)じっと押し黙ること。沈黙。
◯無事=禅語で「無事是貴人」「無事人」という時の「無事」。本来の仏性そのものである自己に還ってあくせくしない無為の境地。
◯諮量=あれこれと問答し、考え合わせること。この部分「論量」とも読めるが、平仄と意味から考えて「諮量」とした(「諮」は平、「論」は仄)。
〈解説〉
軽妙な筆線で描かれた達磨図です。最小限の線ながら、上部にわずかに描かれた強く結んだ口元とすっと通る鼻筋からは、壁に向かい続ける「面壁九年」の達磨の断固たる気迫が漂います。大きく残された余白によって、不動の存在感と精神的な重量感がいっそう際立っています。(Y)
作家について
一絲文守(1608〜1645)は、岩倉具堯の第三子として京都に生まれた。
烏丸光広、近衛信尋、後水尾天皇の御信向を忝うし、寛永15年京都西賀茂に霊源院、同18年丹波に大梅山法常寺を創建し、開山となった。
世寿...
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