与謝蕪村
如瑟宛句入消息
Yosa Buson
Letter
掛軸 紙本 14,5cm×41,6cm(総丈94cm×54cm) 箱入 積翠庵旧蔵品
作品の状態について
画面、表装ともに良い状態です。
大変品の良い、煎茶趣味の表装裂が使われています。
御使殊之外またせ申候
其ゆへハ娘それがしにむかひ
過言いたし扨々にくき
者と存候へとも骨肉の
愛情ゆへ異見真最中
それにて使借入此訳に候
画ハ明日中ニしたゝめ可申候
御好之琴の圖大方こんな
ものにてよきや[琴の略図あり]
発句ハ
しくるゝや
鼡のわたる琴のうへ
此句可然候 但し
桐火桶 無絃の
琴の撫こゝろ
節季ちかく候へハ
何にても書遣し
可申候さためし
謝寶車馬にて
御おくり被下候はハん
とたのしみ申候
先日御約束の
奈良茶めし
いかゝ\/老人の
ものわすれハさる
ことなれとも
貴子ノ如き若キ人の
ものわすれ近此きこへぬ
事ニ候禮ハ先日たんと言置
たる事二候禮をとりかへさんヤ
いかゝ\/万々
已上
二月廿八日
蕪村
如瑟様
〈読み〉
御使、殊の外またせ申し候。其ゆへは娘それがしにむかひ過言いたし、扨々(さてさて)にくき者と存じ候へども、骨肉の愛情ゆへ異見真最中、それにて使ひ借り入れ、此訳に候。画は明日中にしたため申すべく候。御好(おこのみ)の琴の図、大方こんなものにてよきや、[琴の略図あり]
発句は
しぐるゝや鼠のわたる琴のうへ
此句、然るべく候。但し
桐火桶無絃の琴の撫ごゝろ
節季ちかく候へば、何にても書き遣はし申すべぬ候。さだめし謝宝、車馬にて御おくり下され候はんとたのしみ申し候。
先日御約束の奈良茶めし、いかゞ\/。老人のものわすれはさることなれども、貴子の如き若き人のものわすれ、近比(ちかごろ)きこへぬ事に候。礼は先日たんと言ひ置きたる事に候。礼をとりかへさんや。
いかゞ\/、万々。已上。
二月廿八日 蕪村
如瑟様
〈語釈〉
◯御使=如瑟からの使い。
◯過言=言い過ぎ。失言。
◯異見=意見。訓戒。
◯借入=この語句の意味は未詳。「隙い」 などの誤りか。
◯此訳=使いを待たせた理由。
◯画=如瑟から画を依頼されていた。次の発句に関わる文言から、あるいは摺物などか。
◯「しぐるゝや」の句=「夜、座敷などに置いてある弾きかけの琴の上を鼠が渡って、さらさらという音をたてた。それは今降っている時雨の音にも通うようだ。」の意。明和8年の作。
◯可然候=摺物などに載せるふさわしい。如瑟 からの依頼に応えた文言。
◯「桐火桶」の句=「桐火桶を撫でながら暖をとっていると、まるであの陶淵明が無絃の琴を撫でているような気持ちになる。」の意。天明2年冬の作。
◯何にても=どのような画でも描きましょう。
◯節季=上巳の節供。掛取りなどに支払うため物入りが多い。
◯謝宝=謝礼金。
◯きこえぬ事=納得できないこと。理不尽なこと。
〈解説〉
蕪村最晩年の弟子である如瑟からの使いに託し、返書として持たせた手紙です。親娘喧嘩のさなかにあったため、使いを長く待たせてしまったことを文中で詫びています。
手紙には琴の略図が添えられ、「しぐるゝや」の句と「桐火桶」の句が記されています。とくに「桐火桶」の句が見えることから、この手紙は天明3年(1783年、蕪村68歳)の筆と推定されています。(Y)
作家について
与謝蕪村(1716~1783)は、大雅よりも7歳年上で、1716年に大阪で生まれた。
20歳頃江戸へ行き、俳諧師を志し、その後10年ほど関東や東北地方を遊歴して各地で俳諧活動を行いながら、1751年36歳で京都へ上がる。...
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