白隠慧鶴
布袋図

Hakuin Ekaku
Hotei

掛軸　紙本　56,5cm×17,4cm(総丈143cm×26,6cm) 箱入

作品の状態について

画面は少しアレています。
表装は良い状態です。
70歳代に書かれています。

（左から）
波屋世哉
　　古登茂
　葉彌勢耶胡毛
　 和伊輪以土
　　　　　波屋世

〈読み〉
はやせやこども、はやせやこ［ど］も、わいわいとはやせ。
※［　］内は脱字か。

〈解説〉
　本図は、江戸時代の願人坊主（大道芸人のような神道者）の一種である｢わいわい天王」を題材にしたものです。「わいわい天王」とは、猿田彦の仮面をつけ、古びた黒紋付の羽織と袴に粗末な両刀を差し、「わいわい天王さわぐがおすき」などと囃しながら、牛頭天王の札をまき散らし、のちに家ごとに銭を乞い歩いた者を指します。
　布袋が左手で大きな袋の口を掴み、右手を高々と掲げて何かをつまみ取る姿が描かれています。微笑を浮かべた表情と手を伸ばす仕草は、子どもたちが「欲しい、欲しい」と群がる光景を想起させます。実際には子どもは描かれていませんが、余白には｢わいわい｣と賑わう気配が託され、観る者の想像を誘います。(Ｙ)

作家について

白隠慧鶴（1685～1768）は、日本臨済禅中興の祖と称される重要な禅僧。
駿河に生まれた。15歳で出家、臨済宗の禅僧となる。各地を巡歴して修行を積み、33歳で郷里の松陰寺に帰り、住職なる。本格的に書画を手が...

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