白隠慧鶴
維摩居士

Hakuin Ekaku
Yuima

掛軸　紙本　92,5cm×38,5cm(総丈185cm×51cm) 箱入

作品の状態について

画面、表装共に良い状態です。
70歳代に描かれた作品です。

（左から）
爾時文殊法
王子為衆説偈言
我等各自既説
了如何是不二
法門

〈読み〉
爾の時、文殊法王子、衆の為に偈を説いて言わく、我等は各自に既に説き了（おわ）れり、如何なるか是れ不二の法門。

〈大意〉
その時、文殊菩薩が、集まった衆のために偈を説かれました。私たちはそれぞれに自説を述べました。どうか不二の法門をお示しください。

〈語注〉
◯文殊法王子＝文殊菩薩のこと。

〈解説〉
　病床にある維摩を見舞おうと、釈迦の弟子たちが次々に訪れますが、皆、論破されてしまいます。最後に文殊菩薩との問答で、維摩は「沈黙」をもって応じた逸話がよく知られています。賛文は、この文殊菩薩との問答を踏まえたもので、『荊叢毒蘂』巻八に拠っています（一部に異同あり）。
　本図には、頭に領巾を被り、目を閉じて静かに座す老相の維摩が、言葉を超えた境地を象徴するように描かれています。(Ｙ)

作家について

白隠慧鶴（1685～1768）は、日本臨済禅中興の祖と称される重要な禅僧。
駿河に生まれた。15歳で出家、臨済宗の禅僧となる。各地を巡歴して修行を積み、33歳で郷里の松陰寺に帰り、住職なる。本格的に書画を手が...

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