英一蝶 (はなぶさいっちょう)
英一蝶(1652~1724)は、医師、多賀伯庵の子として京に生まれる。万治2年もしくは寛文6年に江戸へ出て狩野安信に師事したが、のちに破門されたという。また、松尾芭蕉に師事して俳諧にも長じた。吉原など都市の風俗を描いて人気を得るが、元禄11年に、武家がらみの醜聞により伊豆三宅島に配流される。この間に描いた作品は「島一蝶」と呼ばれ、珍重されている。宝永6年、将軍の代替わりによる恩赦で江戸へ戻り、旺盛に制作を続けた。酒落のきいた風俗表現や洗練された筆致により、新しい都市風俗画の世界を展開した。