狩野伊川院栄信
鷹図

Kano Naganobu
hawk

掛軸　松平定信賛　絹本　101,5cm×35cm(総丈188cm×49) 箱入

作品の状態について

画面、表装共に良い状態です。
表装締め直しを致しました。

雲のうへにしられぬ
　　　民の思ひをも
　　手にとる
　　　　たかの
　　　みかりなるらむ
　　　　　　　　楽翁

(読み)
雲のうへにしられぬ民の思ひをも手にとるたかのみかりなるらむ

〇みかり　御狩(みかり)。天皇や皇子などの狩することを敬っていう語。または、狩の美称。　〇楽翁　松平定信(1758-1829)の号。

(解説)
　止まり木の上で羽根を休める鷹を描いた｢架鷹図｣です。猛禽としての荒々しい野生の姿が描かれています。画面右下に｢伊川院法印筆｣の署名があることから、法印に叙される文化13年(1816)から亡くなる文政11年(1828)までの間に制作された作品です。賛は、松平定信が歌集『三草集』｢むぐら｣・冬部に収まる歌を書いています。『三草集』では｢民の嘆｣としており、本作には異同があります。(Ｙ)

作家について

狩野栄信（1775～1828）は、奥絵師四家の一つである木挽町狩野家の子として生まれる。父の指導を受け、天明5年に早くも奥御用を始め、寛政12年には江戸城内殿の障壁画を制作。享和2年に法眼に叙された。文化5年に...

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