卍山道白
福禄寿図
Manzan Dohaku
Hukurokujyu
掛軸 宮崎友禅斎画 絹本 54,7cm×31,2(総丈138cm×45cm) 二重箱入 平成24年府中市美術館「三都画家くらべ展」出品作品
作品の状態について
画面、表装ともに良い状態です。
友禅染の染めで描かれた福禄寿に曹洞宗・卍山が賛を入れています。
傳是壽星精
兼呼福禄谷
神頭長僦侗
廉角動崢嶸
双履略天地
孤筇挑扇経
似憐人短世
不菊制頽齢
白卍山題
(読み)
伝ふることは 是れ寿星の精、兼ねて福禄の谷と呼ぶ。
神頭 僦侗を長(そだ)て、廉角 動(ややもす)れば崢嶸たり。
双履 天地を略(めぐ)り、孤筇 扇経を挑(かか)ぐ。
人の短世を憐れむに似て、不(おお)きい菊 頽齢に制す。
白卍山題す。
○寿星 老人星・南極老人星のことで、長寿の老人の象徴といわれている。中国では、福禄寿は南極星の化身とされる。 ○僦侗 集まった未熟者。「僦」はあつまる、「侗」は心の幼い者、未熟者、の意。 ○廉角 (人柄や言葉の端々に表れる)鋭さ、才気、とげとげしさ。 ○崢嶸 奥深いさま。 ○頽齢 老衰。衰えていく年齢。
(口語訳)
この図は福禄寿の寿星の精神を表現し、そのうえ福禄の谷とも呼ばれるものである。神の頭で未熟な者たちを育て、その人柄や言葉の端々に表れる才気はいつも奥深いものだ。双履で世の中をめぐり、杖には扇と経巻を結びつけて上に掲げている。人の短い人生を気の毒に思うことに似て、ふくっらとした大きい菊は衰えていく年齢に逆らえないものだ。
江戸前期から中期にかけて京で活躍した扇絵師、宮崎友禅斎が福禄寿を描き、曹洞宗中興の祖である卍山道白が賛を記しています。
日本において福禄寿は長寿を司る人望福徳の福神として信仰されています。本図では、背が低く、長い頭で長い髭、巻物を結んだ杖を右手に持った福禄寿が白い鹿を連れた姿で描かれています。福禄寿と鹿を友禅染めで描く技法として、「まず糊で絵を描く。そして、筆で染料を挿して、その後、糊を洗い落とす。すると糊を置いた所が、白い筆線の跡として残るわけである。鹿もこの方法によって、細かく毛筋を残したり、いくつもの毛並みの起伏を表したりして白い体を表現している。小さな絵柄の中での非常に細かい仕事である。」(『三都画家くらべ 京、大坂をみて江戸を知る』府中美術館、2012年)と記されています。友禅染技法の歴史を考えるのに貴重な史料だといえるでしょう。(Y)
作家について
卍山道白(1636〜1715)は、曹洞宗の僧侶。
月舟宗胡の下に参禅し、法を継いだ。
面山瑞方らと共に宗統復興を唱えて運動をおこす。
様々な研究書を発行し、学僧としても知られる。
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