池大雅
陶淵明図
Ike Taiga
Tao Yuanming
掛軸 悟心元明賛 紙本 127,5cm×32,6cm(総丈195cm×45,6cm) 箱入
作品の状態について
画面は良い状態です。
表装左上部分に虫穴があります。
描かれた時代に近い頃に仕立てられた表装です。
〈本文〉
五柳先生彭澤演蕭然漉洦
一頭巾黄花新發東蘺下獨
愛南窓寄傲人
三逕就荒松景存五株楊柳繞
紫門由来富貴非吾願扶老孤
節日渉園 巳卯夏日
泫泉明悟心題
九霞山樵寫
〈読み〉
五柳先生は彭澤に演じ,蕭然として一頭巾に漉洦す。
黄花新たに發す東蘺の下,獨り南窓を愛し傲人に寄る。
三逕就に荒れ松の景,五株の楊柳繞として存す。
紫門富貴を由来とし,吾願う扶老の孤に非ずを。
節日渉園 巳卯夏日
泫泉明悟心題
九霞山樵寫す。
〈語注〉
五柳先生→陶淵明の別号。『五柳先生伝』の中で自ら「宅辺有五柳樹,因以為号焉」と述べている。
彭澤→今の江西省北部。かつて陶淵明が彭澤令を務めたことから、陶淵明のことを指すこともある。
演→変化する。遠くまで伸びる。述べる。
蕭然→寂しい。悠然とした。
黄花→菊の花。
東蘺→菜園。陶淵明の『飲酒詩』に「採菊東蘺下,悠然見南山」とある。
南窓→南向きの窓、あるいはただ窓の意。陶淵明の『問来使』という詩に「我屋南窓下,今生幾叢菊」とある。
三逕就荒→隠者の帰る場所。陶淵明の帰去来辞に「三径就荒,松竹猶存」とある。
繞→曲がっている様子。ぐるぐる巻く様子。
紫門→紫はめでたい色、また皇宮にかかわる物事。
節日渉園→この二つの詩の題。陶淵明の帰去来辞に「園日渉而以成趣」とあることから、渉園は陶淵明のことを指しているのではないか。東本願寺にある渉成園の名もここからとった。節日は祭日や記念日。
〈大意〉
五柳先生は彭澤へと行き、蕭然とその頭巾を濡らす雅なお方。
黄色い花が新たに東蘺の下に咲き、私は一人南窓に凭れて陶淵明先生を想う。
隠者の帰る場所は既に荒れ果て、松だけが生えている。
あたりには五本の楊柳がゆらゆらと揺れている。
紫門は富貴な趣を湛えているが、老いて後頼るべきものが杖だけとならないことを願う。
〈解説〉
池大雅(1723-1776)が陶淵明の画を描き、そこに交流のあった悟心元明(1713-1785、禅僧)が賛を加えています。
巳卯は1759年。
池大雅が描いた陶淵明はいかにも文人らしい装いをしており、その表情は朗らかです。
右手には陶淵明の代名詞ともいえる菊を持ち、左手には杖を携えています。
墨の濃淡も美しく、詩情があります。
賛はふんだんに陶淵明の詩から借用し、尊敬の念が込められている作です。(G)
作家について
池大雅(1723~1776)は、京都に生まれる。7歳にして宇治の萬福寺で書いた書を絶賛されるような、天才肌の文人だった。絵は画譜類や中国絵画を模写して独学で学んだが、儒学者や禅僧の援助を得て、画家の才能を早...
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