今北洪川 (いまきたこうせん)
今北洪川(1816-1892)は、大坂に生まれた臨済宗の僧。法名は宗温。号に蒼龍窟、虚舟。はじめ藤沢東垓に師事して儒学を学んで、自らの私塾を開いた。その後、禅に出会って25歳で出家。京都相国寺の大拙承演に学んだのち、備前曹源寺の儀山善来から法を嗣いだ。岩国永興寺住持や、臨済宗東京十山総黌大教師などをへて、鎌倉円覚寺の住持となった。円覚寺派初代管長も務め、鎌倉円覚寺中興の祖といわれる。弟子に釈宗演、鈴木大拙らがいる。居士禅をひろめたことでも知られ、山岡鉄舟らも参禅した。また、「禅海一瀾」「蒼竜広録」などの著作もある。